仕事とお金に対する考え方について、社会とか人類といった広い目線で、人類がめざすべき方向を考えてみたいと思います。
お金=「感謝」
人間が集団生活を営み始めた歴史を考えてみましょう。多くの人間が集まると、何かに得意な人、苦手な人が出てきます。ある人が得意な部分を一手に引き受け、その代わりに別の部分を他者に任せるという相互委託関係である、いわゆる”分業化”が発生しました。
分業は、等価交換です。
相互協力関係、つまり信頼関係です。
「感謝」の交換と言い換えることもできます。
自然発生した分業はやがて”職業”となり、”企業”となり、”地方自治体”となりました。現代の相互協力関係は、「お金」という媒介物によって成り立っています。
お金とは「感謝」そのものです。
“もちつもたれつ””助け合い””win・win”の精神の進化形とも言えます。
だからこそ、
感謝の気持ちを伴わないものに対してはお金を動かさない
感謝できる、感謝をいただけるものは、それに見合ったお金を動かす
こうあるべきだと私は考えます。
弱肉強食からwin・winへ
現在の世界の経済活動は資本主義が主流であり、社会主義体制を継続している国家はごく僅かとなりました。かつて社会主義の代表格であったソ連は崩壊し、中国は経済的には資本主義化しているのが現状です。さらに、経済活動は容易に国境を越えられるようになった結果、経済競争は激化し、貧富の格差はさらに拡大していく様相を見せています。資本主義が悪いというつもりはありません。自由競争により技術の進歩や経済発展を加速するという面での恩恵は十分得られていると思います。ただ、現代の経済活動は、弱肉強食になり過ぎているように思います。
電器店には山のような種類の製品が並びます。違いが判らないようなものも沢山あります。各社必死に宣伝や割引をして、売上アップにしのぎを削っています。
消費者目線でいえば、良いことにしか思えませんが、生産者側は違います。
製品のラインナップが増えた場合、顧客の購買意欲はある程度あがるかもしれませんが、いくらいい洗濯機や冷蔵庫でも2台は要りません。沢山開発しても利益率はあるとろから減少します。にも拘わらず、複数企業で競争している場合はパイ(顧客需要)の奪い合い競争は止まりません。仕事は増えるのに利益は増えません。言い方は悪いですが、必要のない(求められていない)仕事を増やしては、疲弊と貧困にあえぐ時代だと私は感じます。
人間は集団生活を営み、社会を形成し、相互協力をすることで進化してきました。
にも拘わらず、現代の経済は、動物の本能レベルの性質である”弱肉強食”的な性質を強めています。相互協力の発展形が弱肉強食…、これは明らかに逆方向、つまり”退化”の方向なのです。
全ての産業とは言いませんが、本来、相互協力関係であるはずの経済活動が、ライバルを喰いあう生存競争にしか見えないことが多々あります。めざしているのは”win・win”ではなく”win・lose”です。
皆さんの会社の社員さんは、どのような目標意識を持っておられるでしょうか。会社の掲げる目標は「社会貢献する」”win・win”目標のはずです。いつの間にか「ライバルを蹴落とす」”win・lose”に変わってはいないでしょうか。是非、セルフチェックをしてみてください。
世の中の仕事に対する意識を、win・winにシフトしていく
仕事の対象を、”本当に必要なもの”にシフトしていく
人類の進化の方向はこれだと考えます。
搾取する産業(不労所得者)のバランス
モノや家を所有する権利が生まれたことによって、大地主や金貸し業のような、労働力ではなく権利収入を使った経済活動を行う”不労所得者”が生まれました。現代社会においては、その規模や種類は大幅に増え、色々なものにお金を支払っています。社会の中に”不労所得”の割合が増えると何が起きると思いますか?これはあくまで私の考えですが、社会全体の労働力は減っていきますから、労働所得者はより重労働あるいは貧困の方向に向かいます。つまり労働所得者と不労所得者の格差は広がってしまうのです。本来”不労所得”は相互協力関係の範疇であったものなのに、皆がそれをめざしてしまうと相互協力どころか貧困化を招くことになりかねません。
そうならないためにはどうあるべきでしょうか?
手は2つあると思います。ひとつは必要以上の(暴利をむさぼる)不労所得者を増やさないこと。もうひとつは「全員が少しずつ均等に不労所得を得る」こと。今の社会システムにおいて前者はやりようがありませんので、我々が今目指すことが出来るのは後者ではないかと思います。
直近において我々の進むべき方向としては、
全員が少しずつ均等に不労所得を得る
ことではないかと思います。今の文明社会に浸っている我々は、搾取される状況から抜け出すのは相当難しいと思いますが、究極的には「搾取されないxしない」生き方に立ち返るべきだと思います。
まとめ
人類が生きやすくなる方向に進化の道を歩むためには、
産業、企業のそれらの活動は、人々の生きやすさにつながっているか
企業活動あるいは仕事は、win・winの精神で成されているか
お金が「感謝」と紐づいているか
極端な(一方的な)搾取側・される側になっていないか
といった点をチェックしながら、個人個人、しいては社会全体の意識を補正していく必要があると考えます。まずはできることから始めましょう。自身の意識を自己修正!