フラクタルというものをご存知でしょうか。

正確な意味は知らなくても、言葉としては知ってる方は多いと思います。Wikipediaによると、図形の部分と全体が自己相似(再帰)になっている幾何学の概念、と説明があります。ちょっと難解なので、私なりに平たくいうと「ミクロでみてもマクロでみても、同じ姿(性質)をしているさま」と表現できるかと思います。

皆さんは生活の中でこの言葉(性質)を思い出す機会は、どのくらいあるでしょうか。私はこの言葉を大学時代に習って以来、思い出すことすらありませんでしたが、今では私にとってかなり重要な考え方の一つになっています。諸々の人生観を培っていく中で、おおよそすべての自然界の法則や事象は、フラクタルかもしれない、と思うようになったからです。

 

最初にそれを思ったのは、投資、つまり株価やFXの動きからでした。株式やFXを秒刻みでみるときの動きと、日足単位でみるときの動きとは、不思議なほど変わりはないんですよね。はっ!これはフラクタルだ!と過去の知識を思い出しました。

さらに、これらの動きは、大きな波から小さな波の合成波的な動きをします。数学でいうところの「フーリエ級数」。複雑怪奇に見える波形でも、単純な形の周期性をもつ関数の(無限の)和=フーリエ級数として表現できるのです。

 

このことを踏まえて周りを見渡すと、世の中にはフラクタルが溢れていることに気づきます。例えば、

・健康観。人間の手足、細胞、腸内細菌、というのもフラクタルな関係といえると思います。健康は、マクロ(内臓レベル)でもミクロ(細菌レベル)でも同様の組織活動ををしています。

・社会活動でいえば、国交問題と個人が抱える対人関係の悩みは、さほど本質は変わらないように思います。

・地球の成り立ちも宇宙の成り立ちも、仕組みは同じなんだろう、とさえ思います。

纏めると、

●小さな波だけ見ていると、大きな波に気づけません。一極集中的なモノの見方をぜず、大局と小局を両方みることが大切。

●とはいえすべてを100%読み解くのは無理だし意味がありません。どれだけ微細に分解してもさらに微細な波はあり、最大の波を見ようとしても果てはないですから。株式投資でいうならば、長期投資をしている銘柄に対して日々の株価変動で杞憂する意味はありません。

 

つまり、視野の広さに対してちょうどいい視点というものがあると考えます。

世の中の摂理をフラクタルとして捉えることで、不可解な中にも法則が見え、あるいは共通点が見えたりします。面白い発見があると思いますので是非お試しを。